スキンケアと「クリルオイル」 ~細胞レベルのインナービューティー~
.jpg)
海洋由来オメガ3リン脂質が肌のバリア機能を支える仕組み
健康で若々しい肌を求めて、これまで多くの方が保湿クリームや美容液、特別な処方製品といった外用ケアに頼ってきました。
しかしながら、美しい肌の鍵は外から塗るものではなく、私たちの体に取り入れる栄養素にあると考えてみてはいかがでしょうか。 最新の研究では、適切な栄養補給が肌に大きな影響を与えることが明らかになってきています。肌はヒトの体の最大の臓器であり、栄養不足になるとそのサインが真っ先に現れるところです。外用ケアも重要ですが、栄養バランスの取れた食事など、内側からのケアがより効果的であることが示されるようになってきています。1
市場調査会社Mintelは、必須栄養素を細胞レベルで届けて内側から肌を養う「スキンニュートリション」のトレンドが拡大しているという報告を出しています。Mintelによると、米国のパーソナルケア購入者の74%は「肌の健康は心身の健康全体を映すもの」と考えています。
このトレンドによって皮膚科学や栄養学の分野で研究が進み、特に天然成分に注目が集まっています。化学的合成由来の化粧品に比べ、植物・ハーブ・海洋由来の天然成分は、より純粋、自然で、アレルギー反応を起こしにくいと生活者にみなされています。
生活者が天然成分で肌を健康に保ちたいと望む傾向が高まるにつれて、体内のより深層の細胞レベルで作用する成分への需要が拡大しています。年齢を重ねるとヒアルロン酸やコラーゲンの生成が低下し、それが「しわ」のできる原因となります。
このことは、体内にコラーゲンを補ったり生成を促す成分の有用性を示しています。実際に、米国でフェイシャルケア製品を利用している生活者の53%が「小じわ」や「しわ」の対策を最優先事項と考えています。
肌の悩みに応えるバイオアクティブ(生理機能に作用する)成分
肌の健康への関心が高まるとともに、肌のバリア機能を保ち、水分を保持して、外見的な老化のサインを防ぐことへの注目も高まっています。 この流れを受けて、肌が持つ自然の防御機能を守り、しわや乾燥を最小限に抑える新しい製品の開発につながっています。
米国の18〜24歳の生活者の3分の1が肌のバリア機能へのダメージを心配しています。 また、フェイシャルケア製品利用者の過半数が「肌の構造と機能を守り小じわ対策をすること」が優先事項と答えています。
肌の課題:重要な分子産生の減少
ヒトの肌は、外的な環境ストレスから体を守り、体温を調整し、水分の喪失を防ぐという重要な役割を担っています。 皮膚の最外層である角質層(stratum corneum)は、水分保持とバリア機能の維持に極めて重要です。2,3 角質層を構成する主要な分子であるセラミド、コレステロール、遊離脂肪酸(free fatty acids)は、水分損失を防ぎ、 外的刺激から肌を守るうえで欠かせません。4,5
さらにヒアルロン酸は水分を保持して肌のうるおいを保ち、コラーゲンは肌の構造を支えて弾力を与えます。 私たちは加齢に伴ってこれらの重要な分子の産生が減少し、肌の乾燥やしわが増え、肌全体が老化していくのです。6-8

水分損失を防ぐことこそが予防的スキンケアの要
健康で若々しい肌を維持するには、主要な分子の繊細なバランスを保つことが重要です。 加齢による最も大きな課題の一つは水分損失の増加であり、皮膚から水分が大気中に蒸散してしまう現象です。 皮膚のバリア機能が加齢で弱まると、このプロセスが乾燥や皮膚のカサつき、しわの形成へとつながります。
保湿は予防的スキンケアの中心であり、ここで重要な役割を果たすのがオメガ3脂肪酸です。 オメガ3脂肪酸は皮膚のバリア機能を支え、水分損失を抑えて外的要因から肌を守ります。

表皮バリアを強化し、TEWL(経表皮水分蒸散量)を低減し、外的ストレスから保護する栄養素は、これらの課題に対処するうえで不可欠です。 クリルオイル「Superba® Boost」は、天然のクリルオイルをもとに、オメガ3脂肪酸、リン脂質、コリン、そして抗酸化物質のアスタキサンチンを豊富に含む栄養源です。 肌の内側からのスキンケアにおける最も有望な天然由来のソリューションです。
肌の健康を支えるリン脂質結合型オメガ3・コリン・アスタキサンチン
年齢を重ねても健康な肌を維持するためには、細胞レベルで作用する栄養素が不可欠です。 クリル由来のリン脂質結合型オメガ3、コリン、アスタキサンチンは特に効果的な成分です。 これらは肌の保湿や弾力を支えるだけでなく、外的要因からのダメージや加齢から肌を守ります。 これらの成分が互いに作用し合うことで、肌の健康を総合的に改善するアプローチが可能となります。
クリル由来の長鎖オメガ3脂肪酸とリン脂質はいずれも肌に重要であり、不足すると乾燥や鱗屑、水分損失の増加を招きます。9–11
オメガ3脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は細胞膜に不可欠であり、 皮膚のバリア機能を支え、セラミドの量や構成に影響を与え、肌の保湿を維持する上で極めて重要です。12–15 EPAとDHAは皮膚内で合成できないため、外部から摂取する必要があります。16
すべての細胞膜に存在するリン脂質は、肌の水分量やセラミド量を増やすことで肌に良い影響を与えます。2 コリンは必須栄養素で、体内でベタインに変換されると浸透圧調節物質として働き、皮膚細胞の水分量や体積を維持します。17 アスタキサンチンは光防御、抗酸化、抗炎症作用など、肌を守る働きで知られています。18
この特有のEPAとDHAのコンビネーションを含むリン脂質に、コリンとアスタキサンチンが加わることで相乗的な効果が期待され、 肌機能を高め、肌の健康や見た目の改善につながる可能性があります。

Superba® Boostの肌への効果を裏付ける科学
最近のin vivo(生体内)およびin vitro(試験管内)研究では、 Superba® Boostが抗老化、抗炎症、創傷治癒の特性を通じて肌の健康を支える可能性が示されています。19
長時間の紫外線への暴露による光老化は、酸化ストレスとマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の増加によって進行し、 コラーゲンやエラスチンが分解されることで、深いしわ、乾燥、色素沈着を引き起こします。 UVBにさらされたヒト皮膚細胞では、Superba® BoostがMMP-1活性を有意に抑制し、 コラーゲンの産生と抗酸化作用を高めることが確認されました。2
さらにin vivo(生体内)試験でも、経口摂取によりUV損傷皮膚のしわ形成が抑えられ、 MMPの発現が低下し、コラーゲン量が増加しました。20
健康で若々しい肌を保つためには十分な水分が欠かせません。 しかし、加齢やUVBの影響によって、強力な水分保持力を持つヒアルロン酸の産生に関わる遺伝子の働きが抑えられ、 その量が減少してしまいます。21
しかしSuperba® Boostを補給するとヒアルロン酸量が回復し、水分損失が減少、肌の保湿が改善されました。20 加えてin vivo(生体内)試験ではさらに、 Superba® Boostがヒアルロン酸とコラーゲンをタンパク質と遺伝子レベルの両面で増加させることで、 皮膚の保湿を高めることが確認されています。22
この研究では皮膚組織におけるセラミド量の増加も観察されており、 保湿効果の改善はセラミドによるバリア機能の強化に加え、 ヒアルロン酸とコラーゲン合成の促進によるものと考えられます。
Superba® Boostは保湿効果だけでなく、紫外線による炎症反応を調整して皮膚の健康を支える効果も持っています。 紫外線による炎症は、日焼けや発赤、免疫バランスの乱れを引き起こし、炎症性サイトカイン優位の状態を招きます。 しかし、in vivo(生体内)の試験では、クリルオイルが紫外線による腫れを抑制し、 炎症反応のバランス回復を助けることが示されました。20
加齢や糖尿病は創傷治癒を遅らせ、慢性的な皮膚損傷を引き起こすことがあります。23 糖尿病モデルの研究では、クリルオイルが炎症を抑え、 コラーゲン沈着や血管新生を促進し、創傷治癒を改善することが確認されました。24 さらに、内皮細胞マーカーの発現を促進し、血管形成やコラーゲン蓄積に不可欠な因子を活性化し、 組織修復に寄与することも示されています。
これらのin vitroおよび前臨床研究の結果は、 ヒト臨床試験で確認された効果を説明し得る作用機序を示唆しています。25
Superba® Boostがもたらす肌の健康へのメリット
最近行われた2つの無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験では、健康な成人を対象に、 Superba® Boostを1日1gまたは2g、12週間摂取した際の皮膚TEWL(経表皮水分蒸散量)への影響が調べられました。 副次的な評価項目として、肌の水分量、弾力性、オメガ3指数が測定されました。25
試験1では51名が1gのSuperba® Boostクリルオイルを摂取し、試験2では50名が2gを摂取しました。 いずれのSuperba® Boost群も、プラセボ群と比べてオメガ3指数が有意に上昇しました。(Fig.1参照)

さらに、TEWLの大幅な減少(Fig.2)が見られ、肌の水分量や弾力性の改善も確認されました(Fig.3)。
これらの変化はオメガ3指数の改善と相関しており、クリルオイル摂取が用量依存的に肌の健康を支えることを裏づけています。 この結果は、日本人を対象に1日2gのクリルオイルを摂取した研究とも一致しています。

Fig-2:経表皮水分蒸散量(TEWL)の有意な低下
Fig-3:プラセボと比較して、水分量および弾力性が用量依存的に有意改善(水分量の変化)
さらに、未発表のオープンラベル試験では、31名のボランティアが13gのクリルオイルを13週間摂取しました。先行研究と同様に、前腕上部の皮膚測定で水分量、弾力性、TEWLの有意な改善が確認されました。この試験では新たにしわの評価も行われ、デジタルカメラによる解析で、Superba® Boost摂取後に肌の粗さが顕著に減少し、滑らかさが増加していることが明らかになりました。
総合すると、臨床試験の結果は、Superba® Boostがオメガ3レベルを高め、MMP活性を抑制し、コラーゲンやヒアルロン酸の産生を促進することで、TEWLを減らし、保湿と弾力を高める可能性を示唆しています。さらに、Superba® Boostには抗炎症作用とセラミドレベルを回復させる働きがあり、バリア機能の改善、水分保持力の向上、しわ形成の抑制にも寄与する可能性があります。
スキンニュートリション:健康な肌への長期的アプローチ
肌の健康への理解が深まるにつれて、必須栄養素で内側から肌を養う「スキンニュートリション」の重要性はますます高まっています。 クリルオイル「Superba® Boost」は、臨床的に実証されたバイオアクティブ(生理機能に作用する)成分を含有し、 内側から肌の保湿と弾力を支えることにより、クリーンで天然由来、効果的な成分を求めるニーズに応えます。
Superba Boost®は、オメガ3脂肪酸、リン脂質、抗酸化物質アスタキサンチンを含有するユニークな素材で、 細胞レベルから肌の健康を支えます。このアプローチは、科学的根拠に基づき、肌が持つ防御機能を支え、 加齢に伴っても潤いと滑らかさを維持する長期的な効果をもたらします。
Superba Boost®は、進化し続けるスキンケア市場において処方開発者が先行できるよう支援し、 生活者に待望の「内側からのスキンケア」ソリューションを提供するために設計されています。

参考文献
- Dabrowska A.K.; Spano F.; Derler S.; et al. The relationship between skin function, barrier properties, and body-dependent factors. Skin Research and Technology, 2018; 24(2): 165–174.
- Fonseca S.; Amaral M.N.; Reis C.P.; et al. Marine Natural Products as Innovative Cosmetic Ingredients. Marine Drugs, 2023; 21(3):170. doi: 10.3390/md21030170.
- Gilaberte Y.; et al. Anatomy and Function of the Skin. In: Nanoscience in Dermatology. Elsevier, 2016. p.1–14.
- Proksch E.; Brandner J.M.; Jensen J.M. The skin: an indispensable barrier. Experimental Dermatology, 2008; 17(12):1063–1072.
- Uchida Y.; Park K. Ceramides in skin health and disease: An update. Am J Clin Dermatol, 2021; 22(6):853–866.
- Van Smeden J.; Bouwstra J.A. Stratum corneum lipids: their role for the skin barrier function in healthy subjects and atopic dermatitis patients. Skin Barrier Function, 2016; 49:8–26.
- Juncan A.M.; Moisa D.G.; Santini A.; et al. Advantages of hyaluronic acid and its combination with other bioactive ingredients in cosmeceuticals. Molecules, 2021; 26(15):4429. doi: 10.3390/molecules26154429.
- Reilly D.M.; Lozano J. Skin collagen through the life stages: Importance for skin health and beauty. Plast Aesthet Res, 2021; 8:2.
- Weihermann A.C.; Lorencini M.; Brohem C.A.; et al. Elastin structure and its involvement in skin photoageing. Int J Cosmetic Sci, 2017; 39(3):241–247.
- Balié A.; Vlašić D.; ZuZul K.; et al. Omega-3 versus omega-6 polyunsaturated fatty acids in the prevention and treatment of inflammatory skin diseases. Int J Mol Sci, 2020; 21(3):741. doi: 10.3390/ijms21030741.
- Das U.N. Polyunsaturated fatty acids and atopic dermatitis. Nutrition, 2010; 26(7–8):719.
- Verardo V.; Gomez-Caravaca A.M.; Arraez-Roman D.; et al. Recent advances in phospholipids from colostrum, milk and dairy by-products. Int J Mol Sci, 2017; 18(1):173. doi: 10.3390/ijms18010173.
- Lu L.; Okada N.; Nakatani S.; et al. Eicosapentaenoic acid-induced changes in membrane fluidity and cell adhesion molecules in cultured human keratinocytes. Br J Dermatol, 1995; 133(2):217–222.
- Murphy M.G. Dietary fatty acids and membrane protein function. J Nutr Biochem, 1990; 1(2):68–79.
- Kendall A.C.; Kiezel-Tsugunova M.; Brownbridge L.C.; et al. Lipid functions in skin: Differential effects of n-3 polyunsaturated fatty acids on cutaneous ceramides, in a human skin organ culture model. Biochim Biophys Acta Biomembr, 2017; 1859(9):1679–1689.
- Nicolaou A.; Kendall A.C. Current insights into skin lipids and their roles in cutaneous health and disease. Curr Opin Clin Nutr Metab Care, 2023; 26(2):83–90.
- Khnykin D.; Miner J.H.; Jahnsen F. Role of fatty acid transporters in epidermis: Implications for health and disease. Dermato-Endocrinology, 2011; 3(2):53–61.
- El-Chami C.; Foster A.R.; Johnson C.; et al. Organic osmolytes increase expression of specific tight junction proteins in skin and alter barrier function in keratinocytes. Br J Dermatol, 2021; 184(3):482–494.
- Davinelli S.; Nielsen M.E.; Scapagnini G. Astaxanthin in skin health, repair, and disease: A comprehensive review. Nutrients, 2018; 10(4):522. doi: 10.3390/nu10040522.
- Duo L.; Yang J.; Wang X.; et al. Krill oil: nutraceutical potential in skin health and disease. Front Nutr, 2024; 11:1388155. doi: 10.3389/fnut.2024.1388155.