国際団体Sustainable Markets Initiative (SMI)が 海洋保全の新たな取り組みを開始
~ Sustainable Markets Initiative (SMI) launches new effort to turn Ocean commitments into action ~
国際団体Sustainable Markets Initiative (SMI)が
海洋保全の新たな取り組みを開始
【プレスリリース:London, 19 January 2026】
チャールズ3世国王が皇太子であった時期に創設された国際団体「Sustainable Markets Initiative (SMI) 」は、国家管轄圏外区域(公海)における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用を定めた新たな国際海洋条約(いわゆる「ハイシーズ条約」)が発効したことを背景に、2026年1月19日に「Ocean Stewardship Initiative」を発足させました。本イニシアチブの最初の目標は、民間企業の参画を通じて、南極海における世界最大級の海洋保護区の設立を支援することです。
Sustainable Markets Initiative(SMI)は、Ocean Stewardship Initiative を通じて本プロジェクトを推進し、民間企業が政府および市民社会と建設的に連携するための有効なプラットフォームを提供します。これにより、海洋環境の保全と海洋資源の持続可能な利用を両立させつつ、国際的な海洋に関わる課題へのコミットメントを実行可能なアクションへと移すことを目的としています。
Ocean Stewardship Initiativeの最初の取り組みは、南極海洋生物資源保存委員会(Commission for the Conservation of Antarctic Marine Living Resources (CCAMLR))のもとで進められてきた長年の国際的取り組みを基盤に、南極半島の約70%を対象とする大規模な海洋保護区(Marine Protected Area (MPA))の設立を目指すものです。この海洋保護区(MPA)は、科学的根拠に基づく最新のクリル漁業管理のフレームワークとあわせて設立され、生態系のモニタリングを強化するとともに、漁業が認められる規制海域では操業エリアを分散するものです。
Ocean Stewardship Initiative は、海洋保護および科学的根拠に基づく漁業管理を含む、効果的な海洋ガバナンスの実現に向けて、民間企業の参画を促すことを目的としています。このイニシアチブは、Marine Stewardship Council(MSC)の助言のもと、アーケル・バイオマリン社およびアーケル・クリル(Aker QRILL)社とのパートナーシップのもとに構築されました。承認された場合、アルゼンチンおよびチリが南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)に提出したこの海洋保護区(MPA)は、世界最大級の禁漁区域の一つとなり、南極の海洋哺乳類を保全するとともに、南大洋のおよそ50万平方キロメートルをカバーすることになります。また、本提案により、南極海域の保護区域は最大で約15%拡大し、2030年までに海洋の30%を保護するという世界的な目標に大きく貢献することが期待されます。
産業界の参画による成果創出
Ocean Stewardship Initiative は、南極における産業界主導の取り組みを通じて成果を示すことで、漁業管理の改善や海洋保護区(MPA)の導入を世界規模で加速させるための実践的な指針を構築します。
この取り組みは、企業が各国政府などのステークホルダーと連携しながら解決策を見出し、成果を生み出すことを可能にします。
このイニチアチブは、政府、科学者、非政府組織(NGO)、漁業者が長年にわたり積み重ねてきた漁業管理の改善と海洋保全の推進の努力を基盤と、こうした取り組みを大規模かつ迅速に進めるためには、これまで以上に横断的な連携が不可欠であることの認識の上に成り立っています。また、持続的に成果をあげるためには、官民を含む各セクター間の方向性の一致によって初めて実現されるものだとしています。
Sustainable Markets Initiative の最高経営責任者(CEO)Jennifer Jordan-Saifi は以下のように述べています。「民間企業は、海洋経済の形成において決定的な役割を担っています」「政府がルールを定める一方で、その実現は、企業、資本、サプライチェーンが持続可能性を前提とした共通理念を持って動くかどうかにかかっています。この取り組みは、海洋を基盤とした価値創出を、民間企業のリーダーシップを通じて、環境保全や持続可能な漁業管理、世界の『30×30』目標の達成と整合させていくものです。南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)の海洋保護区(MPA)とクリル漁業管理に対する民間企業の取り組みが、世界中の同様のケースのモデルとなることを期待しています。」
本イニシアチブは、地政学的な不確実性が高まる中で立ち上げられたものであり、国際的なコミットメントを実行していくうえで、産業界がこれまで以上に重要な役割を果たす必要性を強調しています。
アーケル・バイオマリン社 CEO 兼アーケル・クリル(Aker QRILL)社会長の Matts Johansen は「漁業者にとって、海洋保護区(MPA)が導入されるかどうかは、もはや議論の余地はありません」「真に問われているのは、産業界が建設的に関与し解決の一部を担う道を選ぶのか、それとも関与しないまま、ルールが策定されるのを傍観するのか、という点なのです。」と述べています。
海洋活動の基盤としてのスチュワードシップ
Marine Stewardship Council(MSC)は、持続可能な漁業を正当に評価、奨励するとともに、民間主導で漁業管理や慣行を改善していくことを促進するために設立されました。
Marine Stewardship Council の最高経営責任者(CEO)Rupert Howes は以下のように述べています。「効果的な海洋管理には、科学、透明性、そして説明責任に基づいた、世界の海洋全体を視野に入れたスチュワードシップが不可欠です」「強力な保護措置と、適切に管理された漁業は相反するものではなく、両者は密接に結びついておりいずれも海洋の未来に不可欠な要素です。」「南大洋特有の生態学的な重要性を踏まえると、産業界と非政府組織(NGO)の双方から多様なステークホルダーの支持を得ている、この政府提案による海洋保護区(MPA)の設定には十分な意義と妥当性があります。」
オーシャン・スチュワードシップ・イニシアチブ(Ocean Stewardship Initiative)の概要
- 既存の海洋ガバナンス体制全体にわたり、海洋保護区および科学に基づく漁業管理の実行を加速するための、産業主導のプラットフォームです。
- 現在、世界の海洋のうち完全に保護されているのは全体の約2.8%にとどまる中で、2030年までに海洋の30%を保護する「30×30」目標の達成をサポートします。
- 初期の取り組みでは、区域指定による保護と、操業中の漁業における漁獲枠設定、モニタリング、実施体制の改善を組み合わせ、2026年までに南極半島(Antarctic Peninsula)の約70%(約456,000平方キロメートル)を対象とする海洋保護区の実現を支援します。
- 南極での取り組みを実証事例(プルーフポイント)とし、2027年以降、他の地域や漁業分野にも展開可能な、産業界向けの実践モデル(プレイブック)となります。
南極における漁業管理
- 南極のクリル漁業は、1981年以降、予防的かつ生態系に基づくルールと継続的なモニタリングを用いて、南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)によって管理されてきました。
- すべての漁船は、監視員の乗船、衛星による位置追跡、日次の漁獲報告を含む、厳格な規制のもとで操業しています。
- エリア48におけるクリルの推定総生物量(バイオマス)は、6,300万トンとされています。
- クリルの総漁獲枠は561万トンに設定されていますが、実際の漁獲は、予防的観点から62万トンに制限されています。
- 現在、5か国から12隻の漁船が、約350万平方キロメートルの海域で操業しています。
- これらの管理措置は、入手可能な最良の科学的知見に基づいて設計されており、きわめて予防的な枠組みであると広く認識されています。
南極海洋保護区(Antarctic MPA)
- 南極の陸上野生生物の大部分が生息している南極半島の約70%を対象とする海洋保護区(MPA)の設立が提案されています。
- 総面積は455,957平方キロメートルにおよび、世界最大規模の海洋保護区となります。
- 本提案は、10年以上にわたる科学的研究と国際交渉を経てアルゼンチンおよびチリから南極海洋生物資源保存委員会(CCAMLR)を通じて提出されたものです。
- この海洋保護区は完全禁漁区域とされており、漁業活動は保護区外でCCAMLRの規制に基づき管理されます。
- 本提案が採択された場合、海洋保護区が南極地域の約15%をカバーします。
- 現在、世界の既存海洋保護区のうち、完全禁漁区域として厳格に保護されているのは約2.8%にとどまる中で、本提案は2030年までに海洋の30%を保護する「30×30」目標に対する大きな貢献となります。
公海条約(High Seas Treaty(ハイシーズ条約)/BBNJ)
- 公海条約(High Seas Treaty (ハイシーズ条約)/ BBNJ)は、国家の管轄権を超える海域における海洋生物を保護するための、世界で初めての国際的な枠組みです。
- 本条約により、科学的根拠と国際協力に基づいて、公海における大規模な海洋保護区(MPA)を設置できるようになります。
- また、この条約は沿岸から遠く離れた海域で行われる活動について、透明性や環境保全のための保護措置を強化します。
- 詳細はこちら(国連公式サイト・英語):https://www.un.org/bbnjagreement/en
本件に関するお問合せ先
アーケル・バイオマリン・ジャパン株式会社(担当:北澤)
Tel: 03-6894-4156
e-mail: info.japan@akerbiomarine.com関連リンク







